国民投票法改正案 利便性向上 早期成立を

1月25日(金)付・産経新聞9面 オピニオン面「ニッポンの議論」 北側党憲法調査会長インタビュー記事

継続審議となっている国民投票法改正案について、今月28日召集の通常国会での審議の見通しなどについて、公明党の北側一雄副代表に話を聞いた。

◎国民投票法を改正する狙いは
 「平成28年に公職選挙法が改正され、デパートなどに共通投票所を設置することなどが可能となった。これは有権者の投票機会の確保、利便性の向上を図るのが目的だ。憲法改正の是非を問う国民投票でも、投票機会の確保、利便性の向上は必要で、現在国会に提出されている国民投票法改正案の趣旨は公選法と同じ。内容については野党も異論はないと聞いている。早期の成立をお願いしたい」

◎昨年の臨時国会で改正案の議論が進まなかったのはなぜか
 「それは野党のご判断だ。私からみると、野党の皆さんはかたくなすぎる。改正案が成立したからといって、憲法改正の議論がどんどん進んでいくわけではない。もう少し、柔軟に対応していただいてもいいのではないか」

◎国民投票の際に賛成・反対各派が流すテレビCMについて、野党は規制が必要だと主張している
 「国民投票は極めて大事な国民の権利行使の場だ。国民の皆さまにきちんと情報を提供していくことは重要で、広告という手段をあまりに規制すべきではない。ただ、一方的な広告だけが流れるのはいいことではない。公正さを確保していく必要があり、国会で議論を深めたい」

◎CM規制はどうあるべきか
 「放送局側がCM量を自主規制するのは難しい。一方で、政党側が自主規制するという方法も考えられる。例えば、CMに使う資金量に関して『これぐらいにしておきましょう』と政党間で合意することは、十分あり得るのではないか」

◎改憲議論は停滞している
 「国会に憲法審査会がある以上、議論することは当然の話だ。憲法改正議論そのものをさせないというのはおかしい。野党の皆さんには、議論をしたら憲法改正が一気に進んでしまうという誤解があるようだ。憲法改正で国会に認められているのは発議権であって、本番は国民投票だ。国民投票で過半数を得るのは思っているほど簡単ではない」

◎国民投票で否決されるとどうなるか
 「それはもう政変だ。英国では、欧州連合(EU)からの離脱が国民投票で決まった。EU離脱派が勝つなんて世界中の人が思っていなかった。憲法改正で国民投票を行うのであれば、勝てる確信を持てるかどうかが大事だ。やみくもに進んでいって多数を得られるわけではない」

◎憲法改正に必要なことは
 「議論を積み重ねることだ。自民党の4項目の改憲案だって、国民の理解はまだまだ不十分ではないか。憲法審という舞台で、国民の見える場で、議論を進めることが大事だ」

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