自民案 秋に討議を
8月20日付・日本経済新聞4面 北側一雄党憲法調査会長インタビュー記事
公明党の北側一雄憲法調査会長は日本経済新聞のインタビューで秋の臨時国会で自民党の改憲案を議論してもよいとの考えを示した。
「憲法をめぐり与野党で自由討議をできればいい。各党がそれぞれ憲法改正のあり方で意見を言えばよい」と語った。憲法9条への自衛隊明記などを掲げた自民党の改憲4項目が示されれば「当然、意見を言うことになる」と述べた。
立憲民主党や共産党など改憲に慎重な政党が出席しない状況で憲法審査会を開催することは「ない」と強調した。
自民党の一部には改憲論議の是非を訴えて勝利した参院選の結果を踏まえ、野党が欠席する中でも憲法審を開くべきだとの意見がある。北側氏は「現場を分かっていない人の話だ」と批判した。同時に「野党にも責任がある。少なくとも立民は野党第1党だから憲法論議に参加してもらいたい」と呼びかけた。
自民党が日本維新の会などと憲法論議を進める可能性を問うと「全く心配していない。公明党抜きには進まないだろう。自公の信頼関係はそんな簡単に崩れない」と語った。自公による改憲の協議に関しては「意見交換はするが事前に与党で改正案を取りまとめるつもりはない」と否定した。
憲法改正の手続きを定めた国民投票法改正案については「早く通した方がいい」と述べ、秋の臨時国会で成立を目指す考えを示した。国民民主党など野党が求める国民投票時のCM規制の議論にも応じる意向を示した上で「簡単に結論がでる話ではない」とも語った。インターネット上の広告規制も議論の必要があるとの認識を示した。
公明党独自の改憲案の提出をめぐっては「熟していない」と慎重な見方を示した。策定する場合には大災害などの緊急時に議員任期を延長する「緊急事態条項」などが中心になると話した。