時事通信社の北側一雄副代表「憲法」インタビュー
―憲法改正について党の基本的な考え方は。
日本国憲法は優れた憲法だ。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3原則はどんな時代でも変えてはならない。その上で、必要な改正はしなくてはならないわけで、憲法論議はしっかり進めるべきだ。
―野党は新型コロナウイルス対応を優先すべきだとして衆院憲法審査会の議論に応じていない。
国会が1月に召集されてだいぶたっているが、審査会の前提となる幹事懇談会も開かれていないのは極めて残念だ。
―新型コロナ感染拡大を踏まえた国会機能の確保については。
憲法56条は「(衆参)両院は各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」と定めている。例えば国会議員に(新型コロナの)陽性が出た場合、総議員の3分の1は確保できるのか。総議員や出席をどう解釈するか、憲法審査会でしっかり議論したらいい。
また、国会議員の任期延長の問題は議論に値する。国会議員の任期は憲法に明確に書いており、法律でやれば済む話ではない。
―緊急事態条項の創設については。
あえて緊急事態条項を設けて、国民の権利、自由を制約する根拠を規定する必要はない。
―自民党がまとめた改憲4項目には9条改正が明記されている。
国民の自衛隊に対する理解や信頼は非常に高く、自衛隊を憲法違反だと思っている国民は極めて少数ではないか。自衛隊をあえて今、明記する必要はない。ただ、実力組織である自衛隊をどう統制していくかという観点から憲法の論議をする余地はある。
―自民4項目を議論のたたき台にする考えは。
たたき台にする必要はない。一つの参考にしながら、憲法審査会で各党が合意できた議論のテーマをしっかり詰めていく作業になる。
―公明党が独自案を作る考えは。
憲法審査会の論議が進む中で与野党で合意できたテーマについては、公明党案を検討しないといけない。
―改憲に意欲を示す安倍晋三首相の自民党総裁任期は来年9月まで。
期限ありきでなく、与野党間の議論を進めていくことが大事だ。