ワクチン生産 国内で
一時支援金 売上3、4割減も対応を
令和3年3月1日の衆院予算委員会で、公明党の北側一雄副代表が質問に立ち、新型コロナワクチン接種体制、事業者支援等について政府の見解をただしました。質疑(要旨)は次の通り。
特に、これから本格的にワクチンの接種が始まってまいります。ここでまた医療従事者の皆様に大変な御協力をいただかないといけないわけでございまして、再び感染拡大の状況になれば、ワクチンの接種も円滑に行われなくなる、そういうおそれも出てくるわけでございまして、この感染の再拡大というのは何としても抑止をしていかねばならないと思います。
また、一年も続くこのコロナ禍の中で、仕事を失った方々、日々の生活に本当に困窮されている方々がいらっしゃいます。また、事業者の中でも、売上げが大幅に減少して、事業の継続も容易でないという事業者もたくさんいらっしゃるわけでございまして、的確な経済対策もしっかり打っていかねばならない、そういう状況だと思います。 総理、緊急事態宣言、二府四県ではございますけれども、昨日解除されました。改めて総理から、国民の皆様へのメッセージを是非伝えていただきたいと思います。
菅内閣総理大臣 緊急事態宣言の下で、事業者や国民の皆さんの大変な御努力、また御苦労をおかけいたしております。こうした皆さんの御協力によって、新規感染者数が八割以上減少するなど、はっきりとした効果が見られてきているというふうに思います。今、委員からお話しいただきましたように、地域ごとの状況を勘案して、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の六府県について、昨日、緊急事態宣言を解除しました。これらの六府県については、解除後も引き続き緊張感を持って対応していただき、感染の再拡大を防ぐことが極めて重要であるというふうに思います。
このため、飲食店では、各府県の判断により、引き続き営業時間の短縮、こうしたことに御協力をいただくとともに、アクリル板の設置だとか、あるいは席と席の距離をしっかり設ける、こうしたガイドラインというものを遵守してほしい、こういうふうに思います。
また、年末には忘年会の影響で感染が拡大したという専門家の御指摘もあります。国民の皆さんにおかれては、今後とも大人数の会食については控えていただくなど、感染拡大防止に御協力をお願い申し上げたいと思います。政府としては、引き続き、飲食店などへの協力金や一時金の支給に加えて、多くの事業者にとって重要な資金繰りの支援、雇用調整助成金の特例措置による人件費の支援、こうしたことをしっかり行ってまいりたいと思いますし、生活に困窮されている方々に対しては、緊急小口資金などの重層的なセーフティーネットによる支援を行うなど、国民の皆さんの事業を守り、雇用、暮らしを守り、困難を抱えた方々にしっかりと対策を実行に移していきたい、このように思います。
北側 先日、河野大臣、今後のワクチンの供給につきまして御発言がございました。高齢者向けのワクチンについては、四月二十六日の週に全ての市区町村に行き渡る量のワクチンが発送される、もう一点、六月末までに全国の高齢者に二回接種する分のワクチン配送が完了すると表明されました。このお話を聞きますと、高齢者へのワクチン接種が本格的に全国で始まってくるのは五月以降というふうに私は理解したのですが、それでよろしいんでしょうか。
河野国務大臣 ファイザー社との交渉で、四月の二十六日の週には全国の市区町村に少なくとも一箱ずつは送り出せる、そういう供給ができると思っております。その後、五月、六月で、高齢者二回分の接種量を送り出すだけのワクチンを確保することができるというふうに考えておりますので、自治体にはそうしたスケジュールに合わせて体制を組んでいっていただきたいというふうに考えているところでございます。
北側 厚生労働大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、やはり今後のワクチンの安定供給というのはとても重要ですね。極めて重要です。国内でのワクチン開発もしっかり急いでいただきたいと思いますし、支援もしていただきたいと思いますが、国外、海外で開発されたワクチンであっても、国内で生産するという選択肢があるわけですね。ワクチンの安定供給のためにはこうしたことも重要でございまして、現在審査されているアストラゼネカ社のワクチンについては、これは九千万回分が国内で生産されるというふうにも聞いているところでございます。国内で今後開発されるものも含めまして、今後のワクチンの国内生産、これが極めて安定供給のためには重要でございます。この見通しについてどのようにお考えか。
田村国務大臣 おっしゃられますとおり、ワクチンの供給を考えた場合に、今般のEUの状況等々、ワクチンが取り合いになりますと、やはり、その地域で作っているワクチンに関しては、国内に輸入しようというときに、いろいろな制約といいますか条件が課される可能性がないとは言えないわけであり、現状、承認が必要だということであります。そういう場合に、国内でしっかりと供給体制を組んである、つまり生産ができるというのは非常に重要なことで、言われたとおり、アストラゼネカ、まだこれは承認しておりません。今審査中でありますけれども、これに関しては、承認されれば、九千万回分、国内で作るということをアストラゼネカ社の方は計画をされておられ、これは我々も承知をいたしております。こういうものに対していろいろと支援していく。併せて、補正でこれは支援しているんですけれども、国内も、これは開発、それから生産、さらには、今般、もう第三相に入ってくるというようなワクチンも出てまいりました。こういうような治験、臨床試験に関してのいろいろな支援、こういうことも三次補正等々を含めて対応していくということで、海外のワクチンから比べると若干まだスピードは遅れておりますけれども、国内のメーカーも今、四つのワクチンが開発に向かって努力をいただいておるということでございまして、引き続き、こういうワクチンの開発、生産、供給等々の支援をしてまいりたいというふうに考えております。
昨日、我が党公明党では、日曜日だったんですけれども、党本部と四十七の県本部と、それから総支部もオンラインでつなぎまして、ワクチン接種を円滑に進めていくための対策本部を開かせていただきました。一千名近い議員がオンラインを通じて参加をしまして、情報の提供、また意見交換もさせていただいたところでございます。数多くの意見、要望が出ました。これから、ワクチンの接種体制について市区町村に対して意向調査をやっていこうということも決めさせていただき、近々、また政府側に御要請を、提言をさせていただきたいと思っております。市区町村の立場からしますと、ワクチンについては、いつ、どれだけの量が手元に届くのか、これがおおよそ決まってこないと、例えば、接種会場を確保しなければならない、医師や看護師やスタッフの皆さんの人材確保をしなければならない、またワクチンの配送、この辺をどういう段取りでやっていくのか、これが最終確定できないわけなんですね。
これはもう河野大臣、また厚労大臣はよく御承知のことかと思いますけれども、今、市区町村は接種票を、まさしく今、ゲラを作っているような段階ですね。この接種票、これは、今お見せしております、お手元にも行っておりますでしょうか、私の地元の堺市の接種票のモデル【別掲】ですけれども、この接種票を高齢者の皆様の御自宅にお送りする、この機会に必要な情報をしっかりと届けたいというふうに思っているんです。単に接種票だけじゃないんですね。この堺市のものを御覧になっていただきますと、左の方は接種票なんですけれども、様々な案内、注意事項、それから予診票も入れてやっていこうとされています。
先月、私、奈良県の天理市にも行ってきたんですよ。天理市長さんにもお会いしましたけれども、天理市長さんは、現在まさしくこういう接種票を在中したものを送ろうとしているんですが、天理市では、集団接種、個別接種を併用でやるんですが、個別の医療機関で接種ができるところ、診療所、また病院、こういう個別の名前まで入れようとされていらっしゃるんですよ。というふうに、この接種票の送付を通じて住民の皆様に必要な、正確な情報をお届けしようと。これは今まさしくゲラ作りをしていて、当初は、遅くとも三月中ぐらいに接種票は送ろうという話でございましたので、今や印刷にかかろうかとしているところで、先日のお話があったわけなんです。先ほどの話のとおり、本格的な高齢者向けの接種というのは五月以降になるんでしょう。であるならば、この接種票の送付についても、できるだけ正確な情報を入れたいですから、市区町村としては。ですから、接種票の送付については、例えば、本格的な接種が始まる前に送ればいいんだというふうに理解してよろしいんでしょうか。
河野国務大臣 そのとおりでございます。四月十二日から接種が始まりますけれども、数がかなり、各都道府県、限定的でございますので、その場合には、もうそこで打たれる方、ある程度特定されて接種券が送られるというふうに思っておりますが、多くの高齢者の皆様には、四月の二十六日の週に各市町村にワクチンを送り始めますので、その辺りまでに接種券が届いていればいいんだろうというふうに思っております。
あるいは、自治体の中には、接種を打ち始める時期を多少遅らせてでも、いろいろなものを確定して、情報を一遍にお届けしたいと考えている自治体もあるようでございますが、そこはもう自治体の御判断でやっていただいて構わないと思います。
北側 今、都道府県、市区町村、このワクチン接種を何としても円滑に進めていこうということで様々準備をされ、これは実際、経費もたくさんかかるんですね。もちろん、国の方から国庫負担金、そして事業費の補助金、これについては当然もう予算づけしていただいているんですが、この補助金については、上限が一応決まっているんですね。決められて通知がなされているわけでございます。
これまで何度も議論されてきたと思いますけれども、このワクチン接種に関して必要な、本当に必要な経費については、上限額を決めているとはいうものの、これは、地方自治体に負担をさせずに、国の方でしっかり責任を持って負担していくということを改めて確認をさせていただきたい。総理、いかがでしょうか。
自治体のワクチン接種経費について 菅総理「すべて国が責任持つ」 菅内閣総理大臣 今、委員から御指摘いただきました。一応、目安となる上限というのはお示ししていますけれども、各自治体が算出した所要額、かかったお金ですよね、こういうのは全て国が責任を持ってお支払いをさせていただきたい、支援をさせていただきたい、このように思います。
北側 今の総理の御発言は、今日も恐らく市区町村の担当者の皆さん聞いていらっしゃると思うんです、安心をされていらっしゃると思います。是非、円滑なワクチン接種、そのために、地方自治体、国、一緒になって連携して取り組んでいただきたいと思います。 もう時間がございません。一点だけお願いをしたい。経済対策の話でございますけれども、今、休業要請、時短要請をされている飲食店に対しては、協力金という形で出ているんですが、もちろん、それはそれでやっていただかないといけないんです。ただ、時短要請を受けていないその他の事業者、この方々も、人通りが少なくなる中で、人流が少なくなる中でやはり売上げが大幅に減少しているという事実があるわけでして、この点、是非政府として現場の状況をよく見て対応していただきたいと思うんです。
経産大臣、西村大臣の方がよろしいんでしょうか。特に私が言いたいのは、五〇%売上げ減というのでは、なかなかそこまでいく事業者というのは少ないと思いますよ。三割、四割減ったら事業の継続が大変ですよ。そういう意味で、是非、そういう方々も含めた対応策、これは地方創生臨時交付金を活用ということもあるのかもしれませんが、是非、政府で御検討いただきたいと思います。いかがでしょう。
西村国務大臣 御指摘のように、時短要請に応じていただく飲食店に限らず、大変厳しい状況にある中堅・中小企業、いろいろな、切実な声も伺っているところであります。私ども、六十万円、三十万円の一時支援金を経産省で準備をして、近々申請の手続に入るということだと思いますけれども、確かに、五〇%の基準を満たさない、四〇%だったり三〇%だったりという事業者はあると思います。実は、今お話がございましたけれども、一兆円の地方創生臨時交付金の配分をしておりまして、それぞれの都道府県、市町村で、五〇%以上いかないところ、三〇%以上のところ、四〇%のところ、こういったところの支援もそれぞれの地方で打ち出されておられますので、そうした私どもの国の施策が届かないところ、手の届かないところもきめ細かに対応していただければと思っておりますが、いずれにしましても、予備費の二・七兆円もありますので、感染の状況あるいは経済の状況をしっかりと見ながら、必要な対策を機動的に講じていければというふうに考えているところでございます。