憲法審査会 論戦活発に

読売新聞5月3日付朝刊9面「憲法記念日」インタビュー

憲法論戦の最前線に立つ衆院憲法審査会のメンバー(幹事)である北側一雄副代表のインタビューは次の通り。

 憲法審査会の運営
- 今国会では、衆院憲法審査会がほぼ毎週開かれ、議論も進んでいる。昨年までと様変わりした。
与野党で議論積み重ねれば共通項生まれる
北側氏 議論は大事だとつくづく感じる。憲法に限らないが、一定の集約がなされてくる。与野党で議論を積み重ねれば、共通項のようなものが生まれる。大事なことは、基本的に週1回、定例日にやることだ。
 昨年の衆院選後、日本維新の会、国民民主の2党が熱心に憲法論議をしようと訴えたのが大きかった。ただ野党第一党の立場もある。その意見は尊重しながら進めていくしかない。

 ウクライナ
- ロシアのウクライナ侵攻を受け、憲法論議をどう進めるか。台湾有事への懸念も強まっている。
今後の安保政策のあり方の議論が重要
北側氏 もちろん基軸は日米同盟だが、何が不足していて、何が必要なのか、真剣に議論しないといけない。台湾、尖閣有事も含め、憲法問題というよりも、今後の安保政策のあり方の議論が非常に重要だと思う。
 安保関連法の議論を経て、限定的な集団的自衛権の行使が認められた。9条を触らないと困ることはない。自民党は、自衛隊を明記する憲法改正を掲げているが、今は共産党も「自衛隊を活用する」と言っている時代であり、自衛隊が憲法違反だと思っている人は少ないのではないか。ただ、自衛隊について、首相などがどのように統制をはかっていくかを憲法にきちんと書き込んでいく議論はしてもいいと思う。

 緊急事態
- コロナ禍を受けた緊急事態を巡って、衆院憲法審査会は、緊急時には「オンライン審議」も可能とする報告書をまとめ、議長に提出するなど、踏み込んだ作業を行った。
議論急がれる国会議員の任期延長の問題
北側氏 緊急事態で重要なのは、国会の機能、役割をきちんと果たせるようにしておくことで、危機管理の大事なテーマだと以前から考えていた。今国会では、そうした議論ができた。
 緊急事態条項そのものをしっかり議論する必要がある。特に急がれるのは、国会議員の任期の延長の問題だ。何でも参院の緊急集会で出来るわけではない。また、繰り延べ投票ではいけない。この問題は、憲法の改正をしなければだめで、今後のかなり有力なテーマとして出てくるだろう。

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