施行から75年 憲法改正を問う
国会議員の任期延長を
原点は阪神大震災
かねて国会議員の任期延長を可能とする憲法改正の必要性を主張していた
北側 「阪神大震災と東日本大震災はともに統一地方選の直前に発生した。われわれは震災特例法をつくり、選挙期日と議員任期を延長する形で対応した。一方、国会議員は憲法に任期が規定されており、延長を可能とするには改憲が必要だ。国が大混乱に至るような時こそ国会の機能を維持し、必要な法律や予算を速やかに通したり、政府への監視機能を発揮したりする必要がある」
問題意識の土台には何があったのか
北側 「阪神大震災だ。大阪府堺市の自宅で早朝、すさまじい揺れにたたき起こされ、今にも倒れようとしている大きなタンスを必死に押さえた。車で神戸に支援に向かおうとしたが道路は大渋滞で全く動かない。人生で経験した最大の地震だった。『国会議員の任期を迎えていた場合、どう対処すればいいのだろう』という思いが当時、胸に去来した」
自民党、日本維新の会、国民民主党も任期延長の必要性を共有している
北側 「改憲のハードルは高いため、野党、特に野党第一党の理解を得つつ、憲法審査会を開いていかざるを得ない。任期延長はイデオロギーの対立ではなく、国会の役割を果たすにはどうすべきかという話だ。立民の皆さんにも問題意識を持っていただけるはずだ」
任期延長の改憲は公明支持層の理解を得られそうか。緊急時に国民の私権を制限する緊急事態条項はどう考えるか
北側 「(公明支持層にも)十分、理解していただけると思う。緊急事態条項を議論するのはやぶさかではないが、権利制約の根拠は今でも憲法に『公共の福祉』という規定がある。新たに何らかを書き込むにしても、抽象的な文言にしかならないような気もしている」
(聞き手 内藤慎二)