自衛隊 民主的統制が重要

衆院憲法審査会で北側一雄副代表

自衛隊 民主的統制が重要
多くの国民は活動を理解、支持している

 10月27日の衆院憲法審査会で北側一雄副代表が発言しました。その要旨は次の通り。

 公明党の北側一雄でございます。先の通常国会では、憲法審査会での論議は実質十五回開催されました。立場の違いがある中でも憲法論議が積極的になされたことを評価したいと思います。議論を重ねると、一定のコンセンサスが生まれてくるというふうにも感じております。
 通常国会を振り返りますと、大きく三つのテーマが特に議論されたと思っております。緊急事態条項の創設、自衛隊と憲法、そして国民投票法改正の三つです。それぞれについて、改めて私の意見を述べたいと思います。
 まず、緊急事態条項についてです。
 我が国が大災害に襲われるなど、国家の危機と言える事態に国会の機能を維持することは、極めて重要です。緊急の立法措置や必要な予算を速やかに成立させ、政府を監督することは、国会の責務です。オンラインにより本会議の審議、採決に参加できる制度について、当憲法審査会で意見を取りまとめ、衆議院議長に提出したことは、大きな意義があったと考えております。国会議員の多くが本会議場に参集することが極めて困難な事態に、例外的にオンライン参加を認めることは、憲法五十六条一項、議事の定足数、また、五十七条一項、会議の公開の趣旨に反するとは言えず、各議院の自律権、五十八条二項の範囲内と考えられます。
 現在、衆参両議院で制度設計等が検討されていますが、できるだけ速やかに結論を得ていただきたいと思います。
 国会議員の任期については、衆議院議員は四年、参議院議員は六年と憲法で明確に規定されています。
 例えば、任期満了直前に東日本大震災のような大災害等が起こり、国政選挙の実施が長期間困難となる場合が想定されます。こうした場合に備えて、憲法を改正し、国会議員の任期延長を認めるべきではないかとの考え方があります。
 一方では、現行憲法には、衆議院の解散後、国に緊急の必要があるときは、内閣は参議院の緊急集会を求めることができ、議員任期の延長は必要がない、こうした意見もあります。
 しかしながら、国会は二院制です。衆議院と参議院とで構成され、予算案、法律案を始め、全ての案件は両議院の議決があって成立するのが大原則です。参議院の緊急集会は、憲法上、国会の二院制の例外となるものです。緊急事態の発生により総選挙の実施が長期間困難で、衆議院議員の不在が長期間にわたると認められる場合に、この間、参議院の緊急集会の議決のみで国会の議決とするのは二院制の趣旨にもとるのではないかと考えます。
 議会制民主主義の基本に関わることであり、また、緊急集会が参議院の基本的かつ重要な権能であることを踏まえながらも、任期延長ができる要件、手続をどう厳格かつ明確に定められるのか、更に具体的に論議を深めたいと考えております。
 また、国家の緊急時に国民の自由を制約し、また、内閣が緊急政令を発出できる根拠を憲法上明記すべきとの意見があります。
 現行憲法にも、営業の自由や移動の自由、財産権の内容などに公共の福祉による制約があることが規定されています。国家の緊急時といっても様々な事態があり、それぞれの危機管理法制の中で、私権に対する一定の制約とその手続き、必要な補償規定等を具体的に整備していくしかないと思われます。また、不測の事態にも対応できるように、あらかじめ法律の中に政令委任ができる範囲を規定すべきと考えます。
 憲法九条一項、二項は、今後とも堅持しなければなりません。平和安全法制では、憲法九条の下での自衛の措置の限界について明確にしました。
 一部にある自衛隊の違憲論を解消するため、九条一項、二項を維持したまま、別の条項で自衛隊の存在を憲法上明記すべしとの意見があります。しかしながら、多くの国民は、現在の自衛隊の活動を理解し、支持をしております。
 一方、自衛隊は我が国最大の実力組織です。内閣や国会による自衛隊の民主的統制を確保することは国民主権の原理からも重要で、これを、自衛隊法等の法律だけではなくて、憲法が定める統治機構の中に位置づけることについて検討を進めていきたいというふうに考えております。
 先日、憲法審査会の会長、幹事等で、フィンランドの共和国国会の憲法委員会一行と懇談をいたしました。この同国の憲法でも、共和国大統領はフィンランド防衛軍の最高指揮官とする、また、共和国大統領は内閣の提案により防衛軍の動員について決定する、このように憲法にございます。私の知る限り、各国の憲法例も民主的統制の観点から規定されていると理解をしております。
 憲法審査会に提出されております公職選挙法並びの国民投票法改正法案三項目につきましては、投票環境整備のための法改正であり、速やかに成立を図るべきです。
 国民投票法と広告規制について、現行の広告規制は、投票期日直前の十四日間、国民投票運動のためのテレビ、ラジオによる広告放送を禁止しています。テレビ等の放送は扇情的な影響力を持ちやすく、また、資金量の多寡が広告の量に影響し、投票の公平公正を阻害するおそれがあると考えられたからです。
 国民投票運動は、憲法制定権者である国民の意思表明で、できる限り自由な運動を保障すべきです。国民投票運動のための広告放送について、法律で全面禁止するなど更に規制を強化すべきとの意見がありますが、表現の自由に対する過度な法規制には慎重でなければならないと考えます。これ以上の規制については、広告の出し手である政党側と受け手の放送事業者等のそれぞれの自主規制、自主ルールに委ねられるべきです。
 また、デジタル化が急速に進展する中で、ネット広告がテレビ広告を凌駕するようになっていますが、インターネット広告を利用した国民投票運動についても、同様に政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組を併せて推進し、表現の自由と投票の公平公正のバランスを図っていくべきと考えます。以上です。

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