緊急時の議員任期延長など、合意形成へ議論深めよ

衆院憲法審査会で北側一雄副代表

緊急時の国会議員任期の延長、国民投票運動中の広告規制
合意形成へ議論深めよ

3月2日の衆院憲法審査会で北側一雄副代表が発言しました。その要旨は次の通り。

 公明党の北側一雄です。
 昨年は、通常国会、また秋の臨時国会を通じて、憲法審査会は毎週定例日に開催され、実質審議も二十回にわたって実施されました。この国会でも、定例日には審査会を開催し、憲法論議を積み重ねるべきです。
 昨年、審査会で議論が集中したテーマは、第一に緊急事態条項、特に緊急事態における国会議員の任期延長、第二に国民投票法とCM規制の在り方であったと思います。共に論点はほぼ出尽くしているように思います。この国会で、少なくともこの二つのテーマについては一定の合意形成が図られるべきと考えます。
 昨年十二月一日には、これまでの審査会での議論を踏まえ、衆議院法制局から緊急事態条項に関する論点説明があり、各会派での討議がなされました。私も各論点について意見を述べましたので、その詳細は省かせていただきます。
 巨大地震の発生など、緊急事態において国会の機能を維持するためには、憲法を改正し国会議員の任期延長を認める必要性があること、また、参議院の緊急集会は二院制の例外として暫定的な制度であること、この二点については五会派で基本的な認識が一致をしていると思います。
 先ほど、階幹事の方から御質問がございました。参議院の権能を弱めるというふうなお話がございましたが、弱めるわけじゃありません。緊急集会の役割、位置づけ、適用範囲ということを議論して明確にしたということだと思います。
 また、議員任期延長のための実体的要件、手続要件、事態認定の効果等の制度設計の各論点についても、五会派では共通するところがかなり多いと思います。手続として司法の関与を求めるべきなのか、任期延長期間の上限をどの程度に定めるのか、衆議院の解散後、緊急事態が発生し総選挙の実施が困難となった場合の取扱いをどうするのか等の残された重要論点について、更に議論を深め、合意形成を図ってもらいたいと思います。
 その際、ここまで議論は詰まっておりますので、改正条項案の表現ぶりも念頭に議論を進めていくべきだというふうに考えます。次に、国民投票法とCM規制について、改めて私どもの基本的な立場を申し述べます。
 表現の自由と国民の知る権利の保障は民主主義の基盤であり、その制約は必要最小限度のものでなければなりません。これは民主主義国家としての普遍の理念であり、表現の自由に対する過度な規制は許されません。
 国民投票法百五条は、投票期日直前の十四日間、国民投票運動のためのテレビ等による広告放送を禁止しています。表現の自由の保障と投票の公正公平の確保とのバランスを取るという観点から、言論の自由市場で淘汰する時間的余裕がない投票期日直前十四日間、これは期日前投票の期間にも当たりますが、国民投票運動のための広告放送を禁止するとしたものです。
 ちなみに、国民投票運動のための広告放送について、法律で全面禁止するなど、更に法規制を強化すべきとの意見があります。国民投票の期日は、国会による憲法改正の発議の日から六十日以後百八十日以内で決められますが、この全期間、何人も広告放送を全面的に禁止されるというのは、国民投票運動の自由、表現の自由に対する過度な法規制と言わざるを得ません。現行の国民投票法百五条を超える法規制には慎重でなければならない、これ以上の規制は、まずは業界団体や放送事業者の自主規制、そして広告主である政党等の自主規制に委ねられるべきと考えます。
 昨年四月、当審査会で、民放連・永原専務理事等の参考人質疑が行われました。民放連は、意見CMについて、投票日十四日前から取り扱わない、また、CMには広告主名と連絡先を視聴者が確認できる形で明示するなど、自主規制と評価できる具体的な内容を既に取り決めています。
 一方、メディアをめぐる環境は激変しています。デジタル化が急速に進展し、多様化、複雑化しています。特に、インターネット広告は、今や放送広告の量を凌駕し、扇情的な影響力という意味では、はるかに強い影響力を持っていると思います。
 しかしながら、ネット広告そのものが多種多様で、あまたの事業者等の関係者が存在します。国民投票運動としてのネット広告の法規制は、その実効性に大きな課題があると言わざるを得ません。一方、事業者団体では一定のガイドラインを策定しています。昨年十二月、当審査会で、ネット広告に関わる企業三百九社が加盟する日本インタラクティブ広告協会橋本専務理事等の参考人質疑が行われましたが、民放連と同様の広告掲載基準ガイドラインを策定しています。
 ネット広告事業者の全てを掌握することはできないまでも、事業者団体で一定のルールが決められたにもかかわらず、それを遵守しないネット広告は、国民から見て、情報の信頼性を欠くと見られます。インターネット広告を利用した国民投票運動についても、政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組を併せて推進し、表現の自由と投票の公平公正のバランスを図っていくのが適切と考えます。
 デジタル技術の進展に伴って、メディアは更に多様化し、複雑化し、これからも大きく変化していきます。これに対応していくためには、両者の自主規制のルールを決める方がより柔軟に実効的な規制ができると考えます。
 審査会では、国民投票運動と広告規制というテーマで三度の参考人質疑が実施されましたが、出席いただいた参考人に共通していた意見は、法的規制はできる限り慎重であるべきということであったと思います。政党側の自主規制ルールの策定について、審査会の会長、幹事会の下で、政党間の協議を行うべきと改めて提案したいと思います。
 なお、昨年十二月に参考人質疑で山本竜彦教授が指摘されたとおり、デジタル社会の急速な進展の中で、国民の自由や民主主義という憲法価値をどう実質的に保障していくのかという課題は極めて重要です。より広く論議されなければならないと考えます。
 先ほど階幹事の方から、国民投票法の改正が必要と山本先生がおっしゃっているかのごときお話がございましたが、私はそういう理解をしておりません。もっと大きく、デジタル基本法のような法整備が必要、こういう認識を示されたと考えております。
 国民へ正確な情報を提供するためには、ネット広告の活用も含めて、広報活動全般について広報協議会の役割が極めて重要です。広報機能等を充実するため、両議院議長が協議して定める広報協議会規程の策定を早急に検討する必要があります。 以上です。

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