国会議員の任期延長、できるだけ早く合意形成を
広範な地域での選挙困難事態に備え
国会議員の任期延長で合意形成急げ
公明党の北側一雄です。今日の最初の御発言の奥野委員の御発言の中に少し気になる点があったので、お話をさせてもらいたいと思います。
奥野委員の御発言の中で、全国的な選挙困難事態というお言葉を何度か使われておられました。
ここでも何度も議論してきておりますが、私どもは、選挙の一体性が害されるほど広範な地域において選挙の適正な実施が困難というふうに理解をしております。必ずしも全国的な選挙困難事態ということではございません。念頭にあるのは、東日本大震災のときのことでございます。
今から十二年前、三月十一日に震災があったわけですが、四月に統一地方選挙が予定をされておりまして、結果として五十七団体で選挙期日を延期する、そして議員任期の延長、長の任期の延長をする、こういうことがなされたわけでございます。公職選挙法の繰延べ投票の適用範囲をはるかに超えているという認識の下で、新たに震災特例法というものの制定をしたわけでございます。
結果としまして、選挙期日が最も遅かった自治体は二〇一一年の十一月二十日でございまして、予定された選挙期日から約七か月先に選挙が延期をされたわけでございます。このようなやり方というのは、一九九五年一月の阪神・淡路大震災でも同様の特例法を制定しております。
仮に、東日本大震災のような巨大な地震災害があったときに、国会議員の任期がもう迫っている、若しくは解散がなされているというふうなことを想定をいたしますと、国政選挙の場合は、これも以前に申し上げたんですが、衆議院も参議院も比例区選挙がございます。東日本大震災のように、広範な地域、被災三県、そして茨城県でも選挙期日が延期されているんですけれども、こうした被災地の繰延べされた投票の結果が長期間判明をしないということになりますと、具体的にちょっと想定しますと、衆議院の場合ですと、東北ブロックというのは十三名の定数があるんですね。茨城県は北関東ブロックです、十九名の比例の定数があるんです。そうすると、三十名を超えるような比例区の選挙の結果が長期間確定をしないということになるわけでございます。
小選挙区においては、宮城県は五、福島県は四、岩手県は三、そして茨城県は七つあります。そうしますと、これも多数の小選挙区で、被災地の小選挙区の選挙の結果が確定しない。
これは、一つは、そういう被災地を代表するような議員が長期間不在になってしまう、それで本当にいいのかというのが一つ。
もう一つは、選挙の一体性です。やはり国政選挙は、地方選挙と違って、全国で同時に実施をしていくというのが大原則だと思うんですね。そうしないと、仮に繰延べ投票をやったとして、半年も遅れたその一部の地域の国政選挙というのは、果たして、国政選挙の正当性という観点でやはり大きな問題があるわけでございまして、選挙実施の同時性、さらには一体性、これは害されないようにしないといけない、その程度の広範な地域というふうに我々は考えているわけでございます。
そういう意味で、全国的なという言葉がちょっと私には違和感がありまして、やはり、選挙の一体性が害されるほど広範な地域、そこで選挙の適正な実施ができない、困難だという場合だというふうに思います。
南海トラフ地震、さらには首都圏直下型地震、これはもう想定をされているわけです。ない方がいいに決まっているんですが、いずれやってくるわけでございまして、そういう巨大地震のことを想定しますと、今、東日本大震災の例を出しましたが、より広範な選挙区で、また、より広範な比例ブロックで選挙の実施が困難ということが想定されます。
そういうことを考えますと、やはり、この議員任期の延長の問題というのは、できるだけ早く合意形成がなされて、憲法改正をしなければいけないわけでございますけれども、そうした議員任期の延長が国会議員に関してはできるように、もちろん、厳格な要件は定めた上でやっていくということが私は急がれるというふうに考えております。以上です。