憲法記念日特集

5月3日、憲法記念日を迎え、読売新聞に掲載された衆院憲法審査会の幹事である北側一雄副代表のインタビューは次の通り。

議員任期延長 進める

【緊急事態条項】

 大規模災害時などの対応を規定する緊急事態条項の議論が進んだ。特に、国会議員任期延長を認める憲法改正が必要だとの声が多い。参院の緊急集会は憲法上、最長70日しか開けないとも言われる。
北側 巨大地震の発生などの緊急時にも、国会の役割、機能を維持しなければ、国民の権利、自由は守れない。審査会では、選挙困難事態における議員任期延長問題について相当に議論が行われた。私は必要だと思っており、ぜひ進めたい。

【運営】

 今年は衆院憲法審査会の実質的なスタートが4月11日まで遅れた。どう考えるか。
北側 政治とカネの問題は国民の信頼回復のため重要だが、審査会を開かない理由とはならない。臨時国会も含め去年は実質討議を19回、一昨年は20回開いた。週1回の開催を、ぜひお願いしたい。

【論点】

 議論の優先項目を三つ挙げてほしい。
北側 ①緊急時における国会機能維持のための議員任期延長②インターネット普及で新たな問題も出てきた国民投票制度③まだ煮詰まっていない9条――だろう。

【9条】

 9条の問題点は何か。どんな議論が必要か。
北側 自民党のたたき台は「9条の2」に自衛隊を明記する案だが、今の憲法解釈が変更されてしまう可能性がある。民主的統制の観点から、首相の職務を定めた72条や73条に書き込んでいくということはあり得るかと思うが、議論は煮詰まっていない。

【統治機構改革】

 その他、統治などの課題は。参院選挙区の合区解消の問題もあるが。
北側 合区は望ましくないとの考えは理解できるが、投票価値の平等を実現するには、選挙制度を改善するしかない。参院議員の地域代表としての性格を強めるための憲法改正は容易ではない。

【国民投票法】

 国民投票でフェイクニュースが流される懸念もある。生成AIも急速に発展している。広報協議会の役割など、国民投票法の注意点をどう考えるか。
北側 広報協議会を十分機能させるため、今国会で規程案のとりまとめを進めるべきだ。協議会は、民間でファクトチェックする機関とも連携することになろう。

【スケジュール】

 岸田首相(自民党総裁)は、総裁任期中の憲法改正に意欲を見せている。どうとらえているか。
北側 議員任期延長のための改正案のたたき台は、近々提示したい。その上で詰めの議論を行い、改正原案提出ができればいい。ただ、政党間、参院側との調整は課題になるだろう。

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