対談企画

北側 公明党が政権に参加して、今年の10月で4年が経過しますが、公明党との連立政権を、麻生さんはどう評価されていますか。

麻生仮に、衆参両院で自民党が単独過半数を占めていたとしても、絶対に出来なかったと感じる政策がたくさんあります。公明党の賛成があって成立できた。正直に申し上げると、自民党支持者の方の中には、「いつまで公明党とやってるんだ」という意見がなくはない。しかし、対話集会等でじっくりお話すると、連立政権で公明党が果たしてきた役割の大きさを理解して下さいます。公明党の連立参加で、政権への安心度が増したと思います。

北側「医療費の3割負担」といった、国民の皆さんに負担をお願いしなければならないような問題。本当なら避けて通りたい。しかし、これからの安定した医療というものを考えた時に、「やむを得ない」と我が党は判断しました。それが公明党の責任感であり、誠実さなんです。そのかわり、ここは絶対に引けないと思った ら、たとえ自民党とでもやり合う覚悟はしています。たとえば、「特定扶養控除存続」のケースのように。

公明党の連立参加で、政権への安心感が増した。-麻生

麻生太郎 × 北がわ一雄

一歩もひかない粘りに、公明党らしさが。

麻生あの時はまいった。北側さんの一歩もひかない決意を感じた。しかし、その粘りをとおして、庶民に根ざした公明党の視点というものを実感しました。ところで、逆の質問ですが北側さんは自民党や小泉政権についてどのように感じていらっしゃいますか?

北側小泉首相の「改革なくして成長なし」という視点は、大いに評価していますし、この2年余り着実な前進をしていると感じています。

麻生そうですね。間違いなく前進しています。

北側ただ、デフレ不況をどう乗り切るか。その緊急の課題と構造改革との関係はどうか、そこが今後の小泉政権の最重要課題だと思います。

麻生デフレ不況は原因でなく結果。今は大転換期にある。近代工業化社会が終わり、冷戦が終わり、少子高齢化を迎えるなど、何れもこの何十年もの間起きたことがないようなことが一時に集中して起こっています。とくに高齢化社会については、暗く考えすぎているところがある。“高齢者”という定義自体を考え直す時がきていると思います。

高齢化社会を明るく元気な未来に。-麻生

変化をチャンスに転じる発想を。

北側この変化をいかにチャンスに転じることができるかという、前向きな発想に立つべきだと思います。高齢者の方々が元気で、働きたいと希望する人は働くことができる。地域でも活躍する。そのことによって、若い力や才能もサポートされ伸びていく。そういう社会を作らないといけない。この度公明党が発表したマニフェストにもこうした考えを大きく反映させました。

麻生古来、日本人は勤労意欲が高い。労働は生き甲斐だった。

北側現に長野県みたいに、高齢者の就業率が全国一高いところは、医療費が全国一低いという統計もあります。

麻生反対に高齢者の就業率が最も低い福岡県では、医療費が最高値になっています。

北側ここに一つのヒントがあると思いますね。今後ますます人口減少時代に入る。しかし人口減少をマイナスに見るのではなく、これからは一人一人の人生がもっと豊かになっていくはずだと考えるべきです。

麻生まったく同感です。

北側いまは日本の大きな転換期。様々に変化を迫られています。本当のことをきちんといって、これは国民の皆様に誠実にお願いしないといけない場面が、何度も出てくると思うんです。

麻生日本の国民は、長期的には正しい判断をする、教養の高い国民だと思います。そのことを信じ政治家は対処療法ではなく、責任ある政治判断をしなければならない。これから日本の政治は、長期的な判断・決断をますます求められていく。その決断には、度胸が必要だし、高い志も必要ではないでしょうか。北側さんは、そうした資質をきっちりお持ちになっている。ですから心から信頼しております。もう一度元気な日本にしていくために、これからも力を合わせてがんばりましょう!

北側日本を元気にする、生活者を守るためなら公明党は骨身を惜しみません。こちらこそよろしくお願いします。

麻生太郎 北がわ一雄
麻生太郎プロフィール 北がわ一雄プロフィール
昭和15年生まれ 62歳/学習院大学政経学部を卒業後、スタンフォード大、ロンドン大の大学院に留学/昭和48年麻生セメント社長に就任/昭和54年衆 議院議員に当選、以来当選7回/国務大臣経済企画庁長官等を歴任/祖父は日本政治の礎を築いた吉田茂元総理/クレー射撃の名手としてモントリオール五輪に 出場した経験をもつ。 昭和28年生まれ 50歳/創価大学法学部卒/弁護士・税理士/弁護士時代は、サラ金、地上げ、悪徳商法等の被害から生活者を守る案件に積極的に取り組む /平成2年衆議院議員初当選、以来当選4回/平成5年大蔵政務次官に就任/平成11年衆議院科学技術委員長に就任/平成12年国家基本政策委員会理事に就 任/現在公明党が着手しているマニフェスト立案の中核。
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