対談企画

北がわ一雄と北川正恭 対談

北側次期衆院選はマニフェスト選挙ともいわれています。国民に北川さんがマニフェストを提唱した動機は。

北川三重県知事のころ、予算の付いた事業がどれだけあるかも分からず前例主義でやっていては県民に説明責任が果たせないと痛感しました。そこで、費用対効果か ら事業が幾つあるのが適当か、総合計画の数値目標と予算、組織定数、人事、検証を一連のサイクルに、政策推進システムという名称で検証までいくシステムを つくり上げました。これがある意味のマニフェストといえます。その後、マニフェスト運動を、知事を辞めた後の一つのライフワークにしようと考えました。

北側公明党は従来から衆院選だけでなく、統一地方選、参院選でも選挙公約はできるだけ具体的に提示をし、全力で実現してきました。その誠実さでは、他党に絶対 に負けないつもりです。党としても公約達成の期限や年次など、より具体的な数値を提示することは非常に大事だと思ってきましたので、北川さんのお話に賛同して7月24日、他党に先駆けてマニフェスト原案をまとめたのです。

ニーズを糾合し、地域自立、脱官僚へ - 北川

公明党の素早い対応に敬意

北がわ一雄 

北川マニフェストを提唱して、公明党の皆さんに素早く対応して頂き、本当に敬意を表しています。こうした新しい価値創造はリーダーが断固やると決めないと進まない。その意味で公明党の結束力、そして政調会長である北側さんのリーダーシップに感心しております。

北側ありがとうございます。ところで、マニフェストの効用をどうお考えですか。

北川一つは老若男女、さまざまな職業、地域の方々のニーズ(要望)を総合的に吸い上げる政党が日本の民主主義を支えていくべきです。二つ目は脱中央政権、地域 自立。そして三つ目が脱官僚です。選挙の前にマニフェストという形で“苦い薬”も入った契約を政党と有権者が結び、その政党を支持する。その政党が与党と なれば強固な内閣となる。政治主導で官僚が政治家に従って動けば政と官の関係は非常に良くなるわけです。

国民負担の前に、まず「ムダを一掃」 - 北がわ

年金問題についても財源まで明示

北側国民との契約の中身は、いい話ばかりではないし、当然負担をお願いしなければならないこともあります。例えば、年金の今後のあり方を「わが党はこのように考えている」と明示することが次期総選挙でも大事なことだと思います。その中で、基礎年金の国庫負担割合を2分の1へ引き上げることについて財源を明らか にすることも必要です。有権者の関心が高い年金問題について、政党が明確な方針を示さないのであれば、投票の際の材料になりませんから。

北川各政党は、年金をはじめとする社会保障で給付と負担の関係を明確に書き込む。その代わり徹底してムダは排除し、説明責任は従来以上に果たす。つらい作業で労力がかかりますが、私はそれを書ききった政党が次期衆院選で勝利するとみています。国民はそこまで進化している。むしろ政党より国民の方が前に行っているかもしれないという気さえしているんです。これまで政党がそれを逃げてきたから無党派が増えてしまった。勇気のいることですが、そこをひっくり返さないといけない。

北側マニフェスト原案の作成に当たって、公明党は、第1章に「ムダの一掃」を持ってきました。社会保障や教育、福祉の問題も大事ですが、まず、ムダの一掃を約束しようと。国民に負担をお願いするわけですから、まず税金のムダ遣いをカットしなければ筋が通りません。

マニフェストを軸に、さらに高度な議論を

北川「公約」というと、今までわが国では、口約束みたいなものだったから検証のしようがなかったのですが、これからは公明党のマニフェストを見ても分かるように、数値や期限、財源が入ってくる。従って、各党のマニフェストが有権者から厳しく問われるようになるのです。
北側さんには、さらにリーダーシップを発揮して頂いて、まずは政権与党内においても、マニフェストについて高度な政策論議の要となって頂きたいと期待しています。

北川正恭 北がわ一雄

北川正恭プロフィール

昭和19年生まれ/早稲田大学卒/衆院議員、三重県知事を歴任/現在、新しい日本をつくる国民会議代表、早稲田大学大学院教授/58歳

北がわ一雄プロフィール

昭和28年生まれ/創価大学法学部卒/弁護士・税理士/衆院当選4回/大蔵政務次官など歴任/現在、公明党政務調査会長/50歳
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