結党50年へ躍動 党幹部座談会《3》
2014年7月21日 11:07 AM|カテゴリー:北がわニュース
地域の活性化めざして
雇用つくり、人口減少に対応
包括ケア 現場に根差した公明の出番
古屋範子女性委員長 今、地域の存続を揺るがしかねない人口減少問題への対応が、重大な課題となっています。民間の有識者会議も、2040年には半数の自治体が消滅する恐れがあるとの推計を発表しました。地方から都市への人口流出に加え、若い女性が多くの自治体で減少するとしています。政治は、若い世代が安心して子どもを産み育てられる環境を整えるべきです。
山口那津男代表 都市部への人口集中が進めば、地方は消滅の危機に瀕することになる。それでは日本が元気にならない。人口減少問題で既に党内に対策本部を設置したが、都市部への一極集中ではないバランスの取れた全国的な取り組みを検討していきたい。
石井啓一政務調査会長 公明党の提言が反映された成長戦略の改訂版では、柱の一つに「地方の活性化」が盛り込まれた。最も重要なのは地方への定住促進であり、そのためには産業の振興が欠かせない。働く場と収入を確保しなければ若者の都市部への流出は止まらない。
———小規模企業育て産業に広がりを———
北側一雄副代表 地方でカギを握るのは、第1次産業(農林水産業)の振興だ。例えば、梅の生産量日本一で知られる和歌山県に、全国的にも有名なブランド「南高梅」がある。生産量の7割以上を占める、みなべ町では、生産をはじめ梅干しや梅酒などの加工・流通業が雇用の受け皿になっており、和歌山市や大阪市などに仕事を求めて転出する歯止めになっている。一つのブランドができれば、それにかかわる産業の広がりが生まれる好事例だ。
山口 地域社会にとって小規模企業の持続が大事だ。地域の資源を掘り起こし、それを磨き、活用する仕事であれば、小規模企業の持続に貢献できる。生活密着型で地域資源を生かす小規模企業をしっかり育てる取り組みが今まで以上に大事になる。
井上義久幹事長 住民の中には、地域資源のブランド化のように地域づくりへの問題意識を強く持っている人材がいる。公明党議員はそういう方々とも連携しながら、行政側との政策合意を形成するために力を発揮していくことも重要な視点だろう。
古屋 日本が直面しているもう一つの重要課題に、超高齢社会への対応があります。6月に閉幕した通常国会では、医療・介護総合確保推進法が成立し、医療と介護、生活支援サービスなどを一体で受けられる「地域包括ケアシステム」の構築が本格的に始まります。党の推進本部が他党に先駆け実態把握などに動いています。
北側 公明党が成立をリードした法律だ。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、地域の実情に即した包括ケアシステムの構築が求められている。だが、高齢者を取り巻く状況はそれぞれの地域でまったく違う。そこで地域に根差した公明党、特に地方議員の皆さんの出番だ。地域のニーズを的確に把握し、新たな地域づくりに公明党が主体的に取り組みたい。
———地域の絆結び高齢社会支える———
石井 地域包括ケアシステムを別の角度から見れば、薄くなった地域の絆をもう一度、しっかりしたものに作り上げ、深めることだと言える。今後、高齢者が急増していく一方で、お年寄りを支える側は少なくなる。施設も圧倒的に足りないという現実もある。地域の底力を総動員して高齢社会を支えていかなければならない。
井上 「大衆福祉」を掲げてスタートした公明党にとって、社会保障政策の推進は結党以来の重要な柱だ。少子高齢化が進む中で、社会保障サービスを安定的に供給できる仕組みをどう構築していくか。これは公明党だからこそできるテーマであり、結党50年の先の時代を視野に入れた社会保障ビジョンの中で議論していることろだ。
山口 公明党の持ち味は、草の根でさまざまな課題の急所を捉える力だ。人口減少や超高齢化を迎える今こそ、現場感覚を磨き、支え合いと活力ある地域づくりを公明党がリードしていこう。
(公明新聞ニュースより転載)