新3要件は憲法の枠内

2015年6月12日 4:09 PM|カテゴリー:北がわニュース

3学者の「違憲表明」に反論
衆院審査会で北側副代表ら

衆院憲法審査会は11日、4日の参考人質疑で憲法学者3人が「平和安全法制」の関連法案をこれまでの政府の憲法9条解釈からは説明できず「憲法違反」と主張したことなどについて各会派からの意見表明を行い、公明党の北側一雄副代表が他国防衛を認めない政府解釈の論理の根幹は変わっておらず違憲ではないと主張した【要旨はこちら】。その後の自由討議では、公明党の国重徹、濱地雅一の両氏も見解を述べた。

他国防衛は認められず

初めに北側副代表は、「平和安全法制」の必要性について、例えば日米安全保障条約に基づいて日本防衛のために日本近海の公海上で警戒監視活動を行っている米艦船への武力攻撃を自衛隊が排除できるようにすることが「日米防衛協力体制の抑止力を向上させる」と強調。その上で、「(日米安保によって)紛争を未然に防止していく以外の現実的な選択肢はない」と主張した。

次に、関連法案の策定までに憲法9条の下で許容される自衛の措置(武力行使)の限界について、与党協議で議論を尽くしたことを紹介。「(憲法)学界で、自衛隊や日米安保条約が違憲かどうかという議論はあっても、わが国の安全保障環境を踏まえつつ、9条と自衛の措置の限界について突き詰めた議論がなされたということを私は知らない」と述べた。

さらに、北側副代表は自衛の措置について、他国防衛の集団的自衛権の行使は許されないとした1972年(昭和47年)の政府見解に言及。今回の関連法案は他国防衛を認めない自衛の措置の新3要件に基づいているとして、「新3要件は、従来の政府見解の基本的な論理を維持し、かつ、それを現在の安全保障環境に当てはめて導き出されたものであり、(憲法審査会で憲法学者が述べた)『従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない』などの批判は全く当たらない」と強調した。

その上で「私たち国政に携わる者は、まず現下の安全保障環境をどう認識するのか。その上で、国と国民を守るため、どのような安保法制を整備する必要があるのか。憲法との適合性をどう図るのか。こうした論議をしなければならない」と訴えた。

国重氏も、「昨年7月の閣議決定でも、他国の防衛それ自体を目的とするいわゆる集団的自衛権の行使は認められない」「1972年の政府見解の基本的論理は新3要件にしっかりと維持されており、従来の憲法解釈との論理的整合性はある」ことを確認した。

濱地氏は席上、野党議員から出た公海上での米艦船の防護が周辺事態法で対応できるとの意見に対して「周辺事態法は後方支援しかできないため米艦等を防護することはできない」と反論。

さらに、4日の憲法審査会で参考人が、自衛隊の後方支援活動は「外国軍隊の武力行使と一体化する恐れが極めて強い」と述べたことについて、濱地氏は戦闘を行っていない現場での補給や輸送の活動は他国の武力行使と一体化せず、さらに「自衛隊の活動区域は安全かつ円滑に活動できる場所を指定する新しい規定を作った」と強調した。

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